日経平均3万円を突破したけど、これってバブルなの?

どうも、さつきです。

日経平均が1990年8月以来、3万円台に回復しました。

巷ではバブルという言葉が多くみられ、株価の急落を煽る人も表れています。

そこで今回は、株式の代表的な指標を参考にして、本当にバブルなのか考えてみたいと思います。

そもそもバブルとは?

バブルとは株式や不動産などの価格が理屈で説明できないほどの水準まで上昇する経済の現象を指します。

理屈で説明できないということは、伝統的な経済学で考えられるあるべき価格の水準を超えて、さらに価格が上昇することです。

バブルが発生すると多くの人が利益を求める欲求に駆られて、価格が上昇している資産を買おうとします。

これはつまり、株式の価格>価値という関係が成り立つということでもあります。

バブルを読み解くPER

株価と価値を表す代表的な指標がPERです。
これは会社の株価と利益を比べて“株価が割安かどうか”を判断する指標です。

具体的には今の株価が“一株当たりの当期純利益”の何倍にあるかを示します。
一般的なPERの計算のときに使う“一株当たりの当期純利益”は予想値(業績予想)を使用します。
一般的な水準の目安はPER15倍と言われています。

では、現在のPERは15倍よりも高いでしょうか。
東証一部のPERは以下の通りです。

コロナ前と比べて現在のPERは高く、PER25倍となっています。

また、東証一部内の企業規模で比べると下記の様になります。

考察

PERは目安の15倍を上回っており、単純にバブルと言えます。

しかしながら、PERが上昇したタイミングと日本の国内情勢を考えれば、それが必ずしも正しいとは言えなくなります。

まず一つ目が業績の回復です。
昨年の10月頃と言うと、欧州の車載市場が回復し始めたことが影響して、車載関係の製造業が大きく持ち直し始めたタイミングです。

製造業の生産動向は下記にまとめていいるので、気になる人は見てみて下さい。

2月の決算で多くの製造業が業績の情報修正を行っており、その理由が欧州の車載市場の回復を上げていることから、PERの上昇と関連があるとみるのが自然です。
特に、工場をフル稼働させており、生産が間に合わない事態となっていることから、来期の業績は非常に良いことを推測できます。市場がこれを見込んだ株価となっていると考えれば、PERが高くなるのは当然です。

二つ目が通貨の信用低下です。
世界では米国株の上昇やビットコインが高騰しています。
この理由として挙げられるのが、通貨への信用不安です。

世界各国ではコロナの影響を抑えるために経済対策として量的緩和政策を行っています。

量的緩和政策というのは、通貨の発行量(流通量)を増やすことで経済をインフレさせて経済の低迷を抑えるもので、日本も取り入れている対策です。

これにはデメリットがあり、通貨の発行量に応じて通貨の価値を下げる効果があります。当然、この影響は株価にも反映され、通貨の価値が下がった結果、相対的に株価が上がる現象が発生します。

つまり、業績の回復 + 通貨の信用低下によって株価は大きく上がる可能性があるということです。

まとめ

バブルが発生しているかどうかを考えてみましたが、必ずしもバブルとは言えないという結果になります。

これは、業績の回復 と 通貨の信用低下により株の価値が上昇しているため、適正な水準を超えているとは言えないためです。

とは言え、これからバブルとなる可能性があるので、十分注意しておきたいところです。

それでは。

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